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シャンタヌ王の結婚 (マハーバーラタより)

昔、ハスティナープラという国シャンタヌという王がいて、 ひとりの娘と恋に落ちました。王はその娘に結婚してくれるよう頼み、娘もまた王に心惹かれていたので、ふたりは結婚することになりました。けれども結婚にあたり、娘はひとつの条件をもちだしました。それはその娘が何者であるのか、またどんなことをしても決してその訳を訊ねないというものでした。

 

王は約束し、ふたりは結婚しました。

 

妻としてその娘はほんとうにあらゆることに優れていました。1年後、男の子が生まれました。けれども彼女はその子供を、夜遅く、ガンガーに投げ込んでしまったのです。王はそんなことを信じることができませんでしたが、結婚の前に彼女に誓った約束があったため、なぜそんなことを彼女がしたのかを訊ねることはできませんでした。

 

2年後にまた男の子が生まれましたが、またもや夜更けに彼女はその子を川に投げ込んでしまったのです。次々に5人の男の子が生まれましたが、どの子も皆同じ運命をたどりました。8番目の息子が生まれ、その子にも同じような運命が訪れようとした時、川のほとりでついにサンタヌ王は剣を引き抜き、妻に訊ねました。

 

「なぜそんなことをするのだ?おまえはわたしの妻なのか、それとも悪魔なのか?」

 

彼女は答えました。

 

「シャンタヌ王よ、わたしはガンガーの女神です。生まれた息子たちは、ヴァシシュタという名の聖者からこの地上に生まれ出るという呪いをかけられていたのです。と言うのもその子たちはもともと天上界の者で、そこにいる時、ヴァシシュタ仙の聖なる牛を盗んだからです。その呪いを解くために、わたしはその子たちの母になり、生まれたらすぐにガンガーの流れに自分たちを放りなげるよう頼まれました。でも今度生まれてきた子供はそうしないことにしましょう。」

「なぜだ。?どこへ行く?お前は誰だ?」

 

シャンタヌ王の、取り乱した気の狂ったような問いかけに応えようともせず、それだけを言うと女神は子供とともに姿を消してしまいました。

 

シャンタヌ王はつらく悲しい気持ちで宮殿に帰っていきました。

 

何年か後のある嵐の日、王は雨宿りのためにガンガーの岸辺にある木陰に座っていました。そしてガンガーの向こう岸で矢を射っているひとりの少年に目をとめました。その少年は吹きすさぶ嵐を少しも気にかけていないように見えました。そのときです。ガンガーの女神がシャンタヌ王の前に現れて言いました。

 

「あれはあなたの息子、デヴァヴラータです。あの子はヴァシシュタ仙自身に育てられました。あの子を連れ帰ってください。」

 

シャンタヌ王は息子を連れて宮殿に戻り、その子を王の後継ぎにしたのでした。

 

 

鳥人ガルーダ

 

造物主であるプラジャーパティにはヴィナターとカドゥルーという2人の娘がいた。

 

2人はそろってブラフマーの子である聖仙カシュヤパの妻となった。カシュヤパは2人の願いを叶えると約束し、カドゥルーは1000匹のナーガ(蛇族)を息子とすることを望み、ヴィナターはカドゥルーの子より優れた2人の息子を望んだ。その後、長い時間を経てカドゥルーは1000個の卵を、ヴィナターは2個の卵を産んだ。

 

2人は卵を500年間あたため続け、やがてカドゥルーの卵からはナーガたちが産まれたが、ヴィナターの卵は孵らなかった。ヴィナターは恥ずかしさのあまり卵の1つを割ると、上半身しかない子供が出てきた。卵を早く割ったために下半身がまだ作られていなかったのである。この息子は暁の神アルナであるが、母親に対して怒り、500年の間、競った相手の奴隷になるという呪いをかけた。

 

ある日、カドゥルーは乳海攪拌から生まれ太陽を牽引する馬ウッチャイヒシュラヴァスの色について、ヴィナターに話しかけ口論となり、負けた方が奴隷になるという条件で賭けることにした。ヴィナターは全身が全て白いと主張したのに対し、カドゥルーは体は白だが尻尾だけは黒いと主張した。実際にはヴィナターのいうとおりであった。しかし、カドゥルーは確認は翌日にするということにし、息子のナーガたちにウッチャイヒシュラヴァスの尻尾に取り付くように命じ、黒く見えるようにした。翌日、2人は海を越えて確認に行くと、ウッチャイヒシュラヴァスの尾の色は黒かったため、ヴィナターは負けて奴隷になってしまった。

 

やがて時期がたち、ガルーダが卵から生まれた。ガルーダは産まれるとすぐに成長し、炎の様に光り輝いて神々を震え上がらせた。神々はガルダを賛美してガルーダの放つ光と熱を収めさせた。海を越えて母の元に行くと、ガルーダも母と共にカドゥルーたちに支配されることになった。カドゥルーはガルーダにも様々な難題を振りかけ、やがてガルーダは嫌気がさし、母に対してなぜこの様になったのかを尋ねた。母にいかさまによって奴隷となったことを聴くと、ナーガたちに対して母を解放するよう頼んだ。ナーガたちは、天界にある不死の聖水アムリタを力ずくで奪ってくれば解放すると約束した。

 

ガルダは地上で腹ごしらえをすました後、天上に向かった。ガルーダは天上に乗り込むと、守備を固めて待ち受けていた神々を次々に払いのけた。戦神である風神ヴァーユが軍勢を整えるものの、多くの神々が打ち倒された。アムリタの周りにも回転する円盤チャクラや目を見ると灰になる2匹の大蛇などさまざまな罠を仕掛けていたが、ガルーダはそれをすり抜けてアムリタを奪い飛び去った。

 

ガルーダが飛んでいるとヴィシュヌ神と出会った。ヴィシュヌはガルーダの勇気と力に感動したため、 ガルーダの願いを叶えることとした。それはアムリタを用いない不死であり、ガルダはそれを受けてヴィシュヌのヴァーハナ(乗り物)となることを誓った。そこへ神々の王インドラが最強の武器ヴァジュラを使って襲いかかってきた。しかしそれでもガルーダには敵わなかった。元々ガルーダは小人の種族ヴァーラキリヤの 「インドラより100倍強くなるように」という願いが込められて産まれてきたからである。インドラはヴァジュラが全く利かないのを見ると、ガルーダに永遠の友情の誓いを申し込んだ。その代わりにガルーダはナーガたち蛇族を食料とするという約束を交わした。

 

そして、一旦約束を守るためにガルーダはアムリタをナーガたちの元へ持ち帰った。そして奴隷から解放されると、アムリタをクシャの葉の上におき、沐浴してから飲まねばならないと告げた。それを聞いてナーガたちが沐浴をしている隙に、インドラがアムリタを取り返してしまった。ナーガたちはだまされたことに気づいたが、もはやどうしようもなかった。

 

ナーガたちはどうにかしてアムリタの霊力を得ようと、アムリタが置かれていたクシャの葉をなめ回したため、舌が切れ二股となってしまった。